【茶寮一松】

料亭女将 山口 清子さん

【06】もっと気楽に茶寮一松を感じてほしい。いつでも優しい日本の“おもてなしの心”に出会えます。

女将の活力の源とは?

女将として忙しい毎日を送る山口さんにとって、毎日を前向きに生きるためのメンタル面での必需品があるそうです。それは長編歴史小説、司馬遼太郎による『坂の上の雲』と山岡荘八による『徳川家康』。

「店の看板を背負う女将として、店に対するどんな評価もすべて、真っ直ぐ自分に向けられてきます。トップに立つまではわからなかったプレッシャーのようなものが、常にあるんです。でも、日本が成り立つまでの戦国時代を生きてきた人は、ちょっとしたミスや判断の甘さで戦に敗れて切腹しなければならなかったり、すべてが生きるか死ぬかに直結しているでしょう。そんな厳しさにふれると、別に私は死ぬわけじゃあるまいし、次から頑張ろう!って、いつも新しいパワーをもらっています」

また、20歳に満たない人々のたくさんの壮烈な生死があって、色んな血の流された上に現代の私たちの生活があるということを、読み返す度に痛感するという山口さん。自分一人で生きているんじゃない、人に対する感謝の気持ちに改めて気付かせてくれるこれらの愛読書は、茶寮一松の結婚式の根本に影響を与えていると言えそうですね。

料亭という仕事。それは過去と未来からの預かりもの。

1959年(昭和34年)の創業以来、3代目の女将を務める山口清子さん。

現在小学生である娘さんの母親として、どのような想いを抱いているのでしょうか?

「娘もいずれは女将として店を支えていく存在。自分の足で地べたをちゃんと歩くような、しっかり根ざした人間になってほしい。強い女性に育てなければと思っています」

未来の女将に伝えたいこと、それは山口さん自身が現在大切に噛みしめていることでもあります。

「私は、茶寮一松のこの建物も結婚式も、すべて将来に繋げていかなければならない“預かりもの”だと思っています。私だけじゃない、人間はみんなそのために生きているんじゃないかしら。だから“仕事”って割り切ってしまうと駄目。現在の自分の足もとだけを見るのではなく、過去への感謝と未来への希望と…“繋げていく”という気持ちを絶対忘れてはいけないし、それを娘にも教えていくのが私の使命です」

茶寮一松はお客様にとって第二の実家でありたい。それが私の夢です。

現在、人との縁に恵まれていることが一番の幸せという山口さん。店の仲間達や地元浅草のパートナー達、みんなが“一所懸命やって当たり前”という気持ちで尽くしてくれていることが本当にありがたいと話します。

「昔に比べて、一松のお客様は若い年代の方が非常に増えています。それはとても嬉しいことだし、大きなチャンス。日本文化を伝えられるような、おもてなしの心をお互いに感じ合えるような、自分の誇れる理想のお店をこれから時間をかけて創り上げていきます」

和を楽しむ場所であると同時に、人と人との“輪”に気付く場所でありたい。

茶寮一松を一度訪れた方にとって、いつまでもあたたかく、どこか懐かしいもう一つの実家が、この浅草の地で守り続けられてゆきます。

[インタビュー・構成]2story取材班

茶寮一松 情報

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